土曜日, 12月 09, 2006

ITエンジニアの能力格差(1):なぜ差がつくのか

最近、人を「どう育てるか」について悩む事が多くなってきました。もちろん私自身が中堅エンジニアとして後進の育成をする必要があるということもあります が、それだけではなく身近な知り合いと話してもすぐに教育の話になりがちであり、なんとなく私の身の回りだけの問題ではなく、もっと普遍的な課題であるよ うに感じています。

主要な問題意識はだいたい共通していて、

  • 後進が育たない
  • 育たないどころか、そもそも能力向上(自己啓発)のモチベーションが無い
  • モチベーションをうまく育てようとしても、育たない
というところになります。ひとことで言うと「自立」していないように見えてしまうのです。

もちろん、すべての若手エンジニアに問題があるわけでもありませんし、会社の枠を出てコミュニティ活動をしていると、自分より年下の優秀なエンジニアに出会 い大いに刺激を受けることも多いです。しかし、自分の所属する組織やプロジェクトチームを見ると、やはり寂しさを感じてしまいます。

そして、寂しいだけではなく、自立していないエンジニアと、自立しているエンジニアでは、能力や生産性が2倍以上あるので、プロジェクト運営上もバカにならない問題です。
(高能力者と低能力者の生産性差はこの記事でうまくまとめられています。これも興味深いです)

私の個人的な仮説としては、
  • だいたい5%くらいの人は、何も指導しなくても「自立」してる
  • だいたい10%くらいの人は、うまく指導すると「自立」するようになる
  • 残りの85%くらいの人は、自立を促しても、自立できない
    • 自立をする必要を理解できない
    • 理解はしていても、モチベーションが低い
という状況にあると思います。

また、現在はネットワークが整備され、情報収集と学習の効率が以前に比べて格段にアップしています。昔は何かを学びたいと思っても情報を得ることが困難 でしたが、現在では「想えば手に入る」わけです。ネットには膨大な情報があり、言語の壁も自動翻訳がカバーしていますし、極端な話、本の著者に メールで質問することもできます。おそらく、効率は10年前に比べて5倍くらいあがっているのではないでしょうか。

「自立」している人は自らの価値観に従い、情報収集と学習を行うので、どんどんと「自立」していない人と差がついていきます。そして現代では、その差のつき方がハンパではないのです。
結果として、エンジニアの優劣の格差は広がるばかりというのが実情ではないのでしょうか。

(この話題は、しばらく続けるつもりです)

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