土曜日, 12月 23, 2006

勉強バカ:システム監査技術者試験を受けることにしました

会社から情報処理技術者試験の案内が来ました。もうそんな時期か……と思いつつ、思い立ってシステム監査技術者を受験してみることに決めました。

システム監査技術者とは、

被監査部門から独立した立場で、トップマネジメントの視点で、情報システムが経営に貢献しているかどうかを、安全性、効率性、信頼性、可用性、機密性、保全性、有用性、戦略性など幅広い側面から総合的に調査し、あるべき姿を描くことによって自ら形成した判断基準に照らして評価し、問題点について説得力のある改善勧告を行う者
情報処理推進機構:システム監査技術者試験
ということで、特に「トップマネジメントの視点で」というところに興味を惹かれたという次第です。まぁ不合格でも実になるような気がしています。自分自身はビジネスコンサルティング領域にまだ弱みを感じているので、うまく補完するような内容だと良いかなと……。

私が最初に就職した企業は、「市場価値を高める」というお題目でこのような資格の取得がかなり強制されていて、取得者数が自社サイトに公表されるようなところでした。プレッシャーも大きく、私にとっては逆にモチベーションが下がってしまうことになっていたのですが、転職して(すくなくとも給料の)評価軸ではなくなってしまうと、逆に取得意欲が沸いてしまう。人間とは妙なものです。

情報処理技術者試験の良いところは、(先端的で無いという問題がありますが)一定範囲の知識をチャート式に詰め込んで習得できるというところだと思います。いわゆる広く浅く。ある程度確かな知識を効率よく学ぶツールとしては良く出来ていて、まじめに取り組むと意外に面白い。
先端的な情報はネットやコミュニティで得ることができるので、この両輪でスキルセットを補完していくのが良いと個人的には考えています。

私は特にITエンジニアが「我流」「俺流」になってしまうのが嫌いです。現在IT業界が不幸な状態にある(いわゆる3K)一因として、過去に積み上げられてきたソフトウェア工学知識にきちんと向き合わず、常に新しい部分だけを見て我流で進んできてしまったことがあると思っています。実際に仕事をしていると、あたりまえな事を知らない人が多いことに驚いてしまいます(極端な話、ウォーターフォールで開発してても、V字モデルを知らない子もいるんだよ)。

というわけで、4月までちょっとお勉強です。
時間の捻出がちょっと悩ましいですが、楽しくやってみたいと思います。

木曜日, 12月 21, 2006

MixFeedを使ってみる

今回はちょっと技術ネタです。
いまさらですが、最近mixiつながりが増えてきて、ちょっとしたmixiブームです。いろいろと批判や競争があるようですが、現在時点ではデファクトなコミニュケーションツールの一つとして、けっこうな地位を築いているように思います。

が、その反面mixiですが、使いづらい部分も多いように思います。もちろんマス向けツールなので、仕方のないことだとは思うのですが……

特に、外部blogで情報発信をしている人にとっては、一つしかblogが登録できないのがかなり厳しい。私も、読書記録用blogとビジネスネタblogを分けているので、どっちを登録すべきなのかはかなり悩ましい問題です。うーん技術的には複数のRSSをリミックスすればよいだけなのですが、それだけのためにPlaggerをセットアップするのも面倒だし……

……と考えていたのですが、たまたまWebを巡回していると、考えていることを実現してくれそうな無料サービスはすでにありました。

MixFeed | ホーム : RSS配信・リミックスウェブ・WEB2.0:

このサイトでは、複数のRSSを(本来は)自分向けに再編集して配信してくれるようなサービスなのですが、これを逆手にとってmixiに取り込むことによって、複数の外部blogのエントリを日記として表示させることができるようです。

検索してみると、同じ事をやっている人は他にもいるようです。
ネットにおけるトータル的情報発信活用術:沖縄からヨッシャー(=^^)9:

というわけで、しばらくは実験的にMixFeedで生成したRSSをmixiに取り込ませてみたいと思います。

土曜日, 12月 16, 2006

ITエンジニアの能力格差(2):持っている情報量の圧倒的な差

最近、「知っているヒト」と「知らないヒト」の差が激しく開いてきているように感じています。ビジネスマンとして、またはエンジニアとしての「アンテナ」が立っている人と、立っていない人の能力差の話です。
昔から、知る人と知らない人の能力差という問題はありました。リクルートワークス研究所の大久保さんが書かれた「仕事のための12の基礎力」(本書はとても良書なので未読の方にはおすすめしておきます)では、「継続学習力」として書かれています。本書の中では、なんと81.2%の社会人が(仕事のための) 学習はしないという調査も紹介されています。

──なるほど。弱みを周囲に認知してもらって受容してもらう……か。他に、気になったのは「継続学習力」ですね。最近の社会人は本当に勉強をしないらしいですね。
大久保 なぜかっていうとね、勉強する必要がないんですよ。今まではテストがあったから仕方なく勉強をしてたけど、何もないのに何で勉強するんだと。そういう気持ちで社会に出ている人が多いわけですね。
 でも仕事の世界って勉強することだらけじゃないですか? だから苦痛にならないよう、例えばちょっとの時間だけでも本を読んだりするとか、そういった習慣を身につけることが大事なんですよ。

- 清家ゆうほのDoing Books! 〜 仕事のための12の基礎力/大久保 幸夫著
さて、これは私は昔の話だと考えています。
世界はさらに進化してしまいました。
Blogの爆発的な普及によって、書籍や雑誌や研修によって学習するよりも効果的に、Webを使って学ぶ事が出来る世の中になったのです。
具体的には、Blog経由で
これにより、継続学習力の有無による差は旧世界に比べると格段に拡がっているのだと考えています。

総表現社会(by 梅田望夫『ウェブ進化論』)における「読み・書き・ソロバン」とは、「RSSリーダー・ブログ・検索エンジン」ではないかとふと思いました。

いきなり余談ですが、10年前だったら「メール・ワープロ・表計算ソフト」とか言ったのかな? とはいえ同じレイヤーの話ではなく、前者はネットにおけるリテラシー、後者はPCにおけるリテラシーという感じだと思うので、優劣/新旧という話ではな く、どちらも必要なことではあります。

さて、このなかで一番普及が遅れているのは間違いなくRSSリーダーです。
それもそのはず考えてみればさもありなんって感じなんですが、RSSリーダーは、最新情報を知りたいときに検索エンジンでは遅すぎる(ブログ検索というソ リューションはあるにしても)、友達みんなブログをやっていてブラウザのブックマークではチェックしきれないという不便を感じて初めて便利に感じるものな ので、現状「RSSリーダーってなに?」という人がほとんどなのは当然と言えば当然。RSSリーダーはこれからじわじわと普及していくんだと思います。

-アルカンタラの熱い夏:総表現社会における「読み・書き・ソロバン」、RSSリーダー普及についての観測


(この話題はもうちょっと、続きます)

土曜日, 12月 09, 2006

ITエンジニアの能力格差(1):なぜ差がつくのか

最近、人を「どう育てるか」について悩む事が多くなってきました。もちろん私自身が中堅エンジニアとして後進の育成をする必要があるということもあります が、それだけではなく身近な知り合いと話してもすぐに教育の話になりがちであり、なんとなく私の身の回りだけの問題ではなく、もっと普遍的な課題であるよ うに感じています。

主要な問題意識はだいたい共通していて、

  • 後進が育たない
  • 育たないどころか、そもそも能力向上(自己啓発)のモチベーションが無い
  • モチベーションをうまく育てようとしても、育たない
というところになります。ひとことで言うと「自立」していないように見えてしまうのです。

もちろん、すべての若手エンジニアに問題があるわけでもありませんし、会社の枠を出てコミュニティ活動をしていると、自分より年下の優秀なエンジニアに出会 い大いに刺激を受けることも多いです。しかし、自分の所属する組織やプロジェクトチームを見ると、やはり寂しさを感じてしまいます。

そして、寂しいだけではなく、自立していないエンジニアと、自立しているエンジニアでは、能力や生産性が2倍以上あるので、プロジェクト運営上もバカにならない問題です。
(高能力者と低能力者の生産性差はこの記事でうまくまとめられています。これも興味深いです)

私の個人的な仮説としては、
  • だいたい5%くらいの人は、何も指導しなくても「自立」してる
  • だいたい10%くらいの人は、うまく指導すると「自立」するようになる
  • 残りの85%くらいの人は、自立を促しても、自立できない
    • 自立をする必要を理解できない
    • 理解はしていても、モチベーションが低い
という状況にあると思います。

また、現在はネットワークが整備され、情報収集と学習の効率が以前に比べて格段にアップしています。昔は何かを学びたいと思っても情報を得ることが困難 でしたが、現在では「想えば手に入る」わけです。ネットには膨大な情報があり、言語の壁も自動翻訳がカバーしていますし、極端な話、本の著者に メールで質問することもできます。おそらく、効率は10年前に比べて5倍くらいあがっているのではないでしょうか。

「自立」している人は自らの価値観に従い、情報収集と学習を行うので、どんどんと「自立」していない人と差がついていきます。そして現代では、その差のつき方がハンパではないのです。
結果として、エンジニアの優劣の格差は広がるばかりというのが実情ではないのでしょうか。

(この話題は、しばらく続けるつもりです)

The Starting Line

思うことがあり、きちんと情報発信を始めることにしました。
タイトルは、37signalsのGetting RealのChapter Oneのタイトルからいただいています。Getting Realはとても面白い文書で、少しずつですが読み進めていますので、近いうちにこのblogでも紹介したいと思います。
また、このblogをはじめるにあたっては、クリボウのBlogger入門を参考にしました。とても丁寧に解説されて助かりました。

一応、私はITエンジニアです。ITエンジニアというと大仰ですが、SE(システムエンジニア)やプロジェクトマネージャというのも、しっくりとしません。会社の都合でシニアコンサルタントという肩書きを名刺に書いていたこともあるのですが、これもあんまり落ち着きません。ということで、最近は自分のことをITエンジニアと呼んでます。

システム開発の業界に身を置いて、早くも10年が経ってしまいました。この10年をざっと振り返っただけでも、

  • Windows 95 の発売 … パーソナルコンピュータの普及
  • Internetの普及 … ブラウザ戦争、ブロードバンド環境の整備
  • モバイルアクセスの普及 ... PHS、i-mode、第3世代携帯、Wi-Fi
  • ホストコンピュータからWebシステムへ … 選択肢の増加
  • コモディティ化 … オープンシステム、オープンソース
と、様々なパラダイムシフトが起きた激動の時代を幸運にも経験していることになります。その中で、沢山のことを学んできた気がします。そして今も、システム開発の世界は「Web2.0」というキーワード(バズワード?)のもとに、これまでにない大きな変動期を迎えているようです。そんな時代を経験することに感謝しつつ、このblogでは、考え事を徒然と(マジメに)書き綴っていきたいと考えています。