IT複合汚染
ひょんなことから、有吉佐和子さんの有名な小説(?)『複合汚染 (新潮文庫) 』を読んでいます。本作は、ちょうど私が生まれた年の朝日新聞に連載された環境汚染問題をテーマとした文芸作品です。興味があるかたはWikipediaなどもあわせてご参照ください。
本作を読んで、ふと気づいたのが昭和40年代の複合汚染の状況と、現状のITを取り巻く環境の類似性です。
例えば農業の近代化というと、耕作機械の導入、化学肥料の導入、農薬の使用なのだそうです。そして近代化した結果、農家は高価な耕作機械の購入にあえぎ、化学肥料と農薬によって荒れた土地で耕作を続ける為にさらなる化学肥料と農薬を投入し、最終的には複合的な農薬汚染によって病気となったり自殺してしまったりする(30年前の話ですが)。
特に本作で取り上げられている「複合汚染」では、農薬や化学肥料などが複合的に組み合わさった場合の副作用を検証せずに、それぞれ単品では「害が無い」と判断してドンドン投入した結果、結果として公害病や生産者の健康被害に至っている。
最近、ITを取り巻く環境についても様々な問題が取りざたされています。
- メンタルヘルスの問題
- 多重請負構造の問題や受託開発の問題
- 開発リスクや、システム開発の成功確率の問題
利用者の役に立つシステムを適切な価格で提供する。これを目標にスタートしているはずなのに、みんなうまくいっていない。歯車が噛み合っていない。
というところで、『IT複合汚染』という単語を思いついたんですが・・・
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