スーツの国から(2007年年末)
なんだかギークの国とスーツの国の話が盛り上がっているので便乗して勢いで書いてみるテストです。
GoTheDistanceさんのBlogエントリ「スーツにはスーツの道がある」に触発されています。
個人的には自分はスーツなんだと考えています。少なくともエンジニアではない。設計したりコードを書いたりビルドしてテストするような作業は行いません。ただし、"技術のこと、実装のことを肌で感じることができないし、感じようともしない「スーツなおやぢ」"にはならないようにはしています。プロジェクトチームを動かす為にはチームの中でのマジョリティであるエンジニアさんとコミュニケーションが出来る事が絶対に必要ですし、技術リスク等を理解して見極めて判断をするためにも、最低限の基礎知識や技術知識、最新技術をバランス良く身に付ける必要がある。エンジニアさんのキャリアに関してもアドバイスが出来なければならないし、そうでなければ優秀なエンジニアさんはついて来ないと言うことを強く意識しています。
こんな私がはたしてスーツなのかどうかはよくわかりませんが、むしろ個人的にしっくりくるのはテクノクラートという単語です。Wikipediaから引用すると「高級技術官僚」。高度な科学技術の専門能力だけではなく政策能力を持つ上級職。ITエンジニアリング界隈にとって、コンサルタントやスペシャリストや管理職なんてありきたりで目指したくもないし、キャリアの墓場みたいで嫌だ。じゃあ企業するかというとそんなパッションがあるわけでもない。問題解決とそれによる利益(利便性)向上こそ命。そんなあなたにオススメはテクノクラートへの道。どうなんでしょ。流行らないかな。
以前に書いた、PFP関東ワークショップで聞いた羽生田さんの話を思い出す。ビジネスとエンジニアリングの間でバランスを持つ話。結論としては、ビジネスとエンジニアリングを繋ぐブリッジ能力として「見える化(モデリング力)」と「ファシリテーション力」の二つがあげられていました。この二つがビジネスと技術の四象限を繋ぐキーであり、今後必要とされるという話です。テクノクラート的には当然スーツと非スーツの境界を軽やかに跨ぐ必要があるのでどちらも重要と考えています。モデリングによってステークホルダー間の認識をあわせ、ファシリテーションによって合意形成を行う。そして人を動かす。
あと、何度も読んで参考としている「アート・オブ・プロジェクトマネジメント ―マイクロソフトで培われた実践手法」。この本の最後の章「社内の力関係と政治」が思い起こされます。
政治とは汚いことを表す言葉ではない。「政治」という言葉の第一義は、たいていの辞書では以下のようになっています。非スーツの道、ギークの道もあると思いますが、政治と技術の境界を歩むスーツの道もあっても良いと考えています。というか、私はそこを歩いていきたい。
政治(名詞):政府や、統治機関が実施する芸術や科学のこと。特に、国家のような政治的な団体の統制や、その内外における事象の執行および統制を指す。
「アート・オブ・プロジェクトマネジメント ―マイクロソフトで培われた実践手法」16章 社内の力関係と政治
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